皆さん、今年の夏休みはどのようにお過ごしでしたか? あちこちへ旅行に出かけて、旅先の風景や思い出の品をスケッチしたり、スクラップブックを作って楽しんでいる方も多いのではないでしょうか。
私はスタンプ集めも兼ねて、「恵文社一乗寺店」とのコラボレーション・トラベラーズノートのスタンプノートリフィルを使っています。

旅先でのスケッチは、写真とは違った記憶の残し方ができるのが醍醐味です。でも、いざパレットと筆を取り出したとき、「あれ?」と筆が止まってしまうモチーフがありませんか?
たとえば、海辺で被っていた麦わら帽子、市場で見かけた籐の籠。あるいは、ふと立ち寄った神社で見上げた、立派な注連縄(しめなわ)。 あの乾燥した藁がギュッと束ねられた力強い造形や、ザラッとした質感を水彩で描こうとすると、思いのほか難しくて悩んでしまうものです。

今回は、私がいつも持ち歩いている「ミニパレットと水筆」を使って、そんな難しい藁の質感をあっという間に表現できる、ちょっとした魔法のようなスケッチのコツをお教えします。
目次
準備はこれだけ!水筆で作る「束感まつ毛」の魔法
ドライブラシに特別な道具は必要ありません。私が普段から愛用しているのは「サクラクレパスのプチカラー水筆入り12色セット」。

これに入っている中字サイズの水筆を例に紹介していきます。
本来は軸を押して水を出しながら描く水筆ですが、今回はまったく逆の使い方をします。
順を追って見ていきましょう。
1. スポンジやティッシュでしっかりと水分を取る
まずは水筆の軸を押さず、筆先についている水分を、付属のスポンジや手持ちのティッシュペーパーなどでしっかりと吸い取ります。
ややしっとりしているかな、と感じるくらい十分に水分を取ってしまうのが最初のコツです。

2. 指先でギュッ!筆先を平たく潰す
ここが最大のポイントです。水分が取れたら、筆先を指先でギュッとつまんで、平たく潰してください。
イメージは「マスカラを塗った、束感のあるまつ毛」。

筆先が、いくつかのかたまりに分かれてバラバラになった状態を作ります。
この不規則に割れた筆先が、後で藁の複雑な繊維を描き出してくれます。

実践編!サッサと引くだけであっという間に藁の質感へ
ベースが乾いたら、先ほど作った「まつ毛状の筆先」で、パレットから少し濃いめの茶色や黄土色を取ります。
そして、麦わら帽子の丸みや注連縄のねじれに沿って、紙の表面を撫でるように素早くかすれた線を引いていきます。
するとどうでしょう。バラバラになった筆先のおかげで不均一な乾燥した藁の束感が浮かび上がってきます!

この線を縦横に交差させて格子状に引けば、あっという間に「ザル」や「カゴ」の編み目表現も出来上がります。
筆が紙に擦れるカサカサという音も心地よくて、一度コツを掴むと面白くてどんどん描きたくなってしまいますよ。

ベースを塗る時にはまずは麦わらや注連縄のベースとなる色(薄い黄土色など)を薄めに塗り、完全に乾くまで待ちます。
少しでも湿っていると、次に乗せる色がにじんでしまい、ドライブラシ特有の「かすれ」が出ません。焦らずしっかり乾かすのが鉄則です。
コツを掴めば、次の旅がもっと待ち遠しくなる
麦わら帽子やカゴバッグ、神社の注連縄。
一見すると複雑で描くのが難しそうなザラッとしたモチーフも、水筆の先をちょっと工夫するだけで、その空気感や手触りまで紙の上に残すことができます。
実は近々、タイへ旅行に行く計画を立てています。
タイの活気ある市場には、味わい深い手編みのカゴバッグやザルがたくさん並んでいるので、今からそれをスケッチするのが楽しみで仕方ありません。
次にスケッチブックとパレットを開くときは、ぜひ皆さんもティッシュを片手に、水筆をギュッと潰してドライブラシを楽しんでみてください。
皆さんはこの夏、どんなものをスケッチしましたか?
「こんなモチーフを描くのに苦労している」「ドライブラシを試してみたらこうなった!」といった感想やエピソードがあれば、ぜひInstagramのコメント欄で教えてくださいね。
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