インク博士・竹内直行さんに会ってきた!NAGASAWA煉瓦倉庫店でゆったりした時間を

文房具卸の会社に転職し、昨今のブームについても知っておかねばな、と思いインクとガラスペンを手に入れたもののイラストを描く時に筆で使うくらいしかしていなかったんです。

そのことを上司に話したところ
「NAGASAWA煉瓦倉庫店にインクのことならなんでも知ってる人がいるから会いに行こう!」
とのことで、行ってきました。

インクや万年筆の世界って小難しい、と思っていたのは偏見だったなと思うくらい、楽しい時間だったのでぜひ読んでみてください。

NAGASAWA煉瓦倉庫店は神戸・ハーバーランドの一番海辺にあります。

海を挟んで向かいには工場などがあり、その風景と煉瓦倉庫の雰囲気がなんともレトロで風情があります。

店内にはたくさんのインク瓶が並んでいます。

NAGASAWA煉瓦倉庫店で出迎えてくれたのは、とても穏やかな笑顔の紳士でした。
「神戸インク物語」の生みの親・竹内直行(たけうちなおゆき)さんです。

竹内さんは大学生のころから文房具が好きで、バイトをしていたころから、ずっと神戸の老舗文房具店・ナガサワ文具店一筋でお勤めです。

定年後も「神戸インク物語」の開発・新色の作成、講演会などで活躍されており、最近ではこちらも神戸を代表する企業「株式会社フェリシモ」の「チョコレートミュージアム限定・チョコレートカラーのインク」の調色をされたのも竹内さんです。

震災から10年が経過した2005年に、お世話になった方々へお礼の手紙を書こうと思ったとき、万年筆のインクの色が限られるのに気づいたのが開発のきっかけだそうです。
せっかくだから六甲の緑色で手紙を書きたい、との気持ちから「神戸インク物語」は始まりました。

そんな竹内さんにインクと仲良くなれる方法を聞いてみました。

「万年筆やガラスペンじゃなくてもいいんですよ。」

え?インクと言えば、やっぱり万年筆やガラスペンですよね?
と思っていた私。

「小さいお子さんには、呉竹さんのからっぽペンをおすすめします。
それに色んな色を使いたいでしょう?
ガラスペンは繊細だから、丈夫な付けペンでもいいんですよ。」

付けペンって初めて聞きました。

本体とペン先の太さが違うものを合わせて、ガラスペンのようにペン先にインクを付けて書く筆記用具のひとつです。

竹内さんが作業をしていらっしゃるデスクにも、お客さまが試し書きをする時のために付けペンが置いてありました。

瓶に入っているだけでは分からない、絶妙な色の差や書いていて心地良い色を見つけるための試し書きにぴったり。

そして、付けペンが意外と書き心地が良く、長く書けることも分かりました。

「これ一本あれば、途中で違う色を使いたい時も簡単なんですよ。」

と、色の変えるときのペン先の洗い方も教えて頂きました。

いきなり水で洗わないで、ティッシュで一回拭いてから、ペン先を洗うんです。
そうすれば、水を何回も変えなくてもいいでしょう?

確かに!
インクが付いたまま洗った時とは全く異なる透明度です。

実際に、神戸インク物語の中でも竹内さんのお気に入りの「旧居留地セピア」で試し書きをさせて頂きました。
これは旧居留地のビル群が生み出す影をイメージして作られたそうです。

太さでも違うし、紙質でも異なる書き心地に、思わず笑顔で「わー!全然違う!すごい!」と言ってしまうくらい。

こうやって写真で見るのとは異なり、やっぱり気になる色を自分の目で確かめて、書いていて心地が良いカラーを選ぶのって大切だなと思いました。

書いてみて、濃い部分や薄い部分のカラーに、絵を習っていた時に、私たちが生活している中で漆黒はない。
と先生に言われたことを思い出しました。

「こうやって付けペンで慣れていって、持ち歩きたいなと思うようになったら万年筆を使うといいですよ。」

と見せてくださったのが、竹内さん愛用の万年筆ケース。

キップレザーで柔らかい、万年筆を3本入れられるケースです。
私は革靴が好きなので、週に一度は手入れをするのですが、竹内さんの万年筆ケースを見て良く手入れしてらっしゃるな、と思いました。

このケースは区切りの部分がくぼむのでペン置きとしても使えますし、柔らかいレザーなので内ポケットに入れても体に沿い目立ちにくいようになっています。

万年筆を持ち歩かれる方には少ない本数のケースを、自宅で保管される方は多い本数のケースをお求めになられてはいかがでしょうか?

竹内さんの作られたインクの色の中では、【水道筋マルシェブルー】と【六甲グリーン】が気に入ってしまいました。

竹内さんの目を通して見た、神戸のさまざまな風景、色の移り変わり。
NAGASAWA煉瓦倉庫店では小分け売りもしております。
ぜひみなさんも【神戸インク物語】で指先から、インクからあふれる色から、神戸の景色を感じ取ってくださいね。

【こぼれ話】
文房具業界に入ってあまり日が経っていないのですが、がんばって勉強します!
と言ったら
「仕事を楽しんでくださいね」
とお答えになられたのが印象的でした。

 

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