「さあ、好きなように絵を描いてください。」
と言われて、どれくらいの人が躊躇なく描けると思いますか?
私は【キットパスアートインストラクター】として複数のワークショップでたくさんの大人や子供にお会いしましたが、結構な割合でお絵かきが苦手だと思っているのです。
絵が上手、より描くことを楽しんで欲しい
キットパスアートインストラクターの資格を取ったのは、文房具の展示会がきっかけでした。
この投稿をInstagramで見る
日本理化学工業のブースで説明を受け、キットパス(kitpas)という画材の自由度の高さもさることながら、会社の理念を知って感動し、絵を描くことの楽しさ【楽がき】をワークショップを通じて体感してもらえたらいいなと思ったからです。
障がい者雇用に込められた思い
インストラクター取得には、画材の特徴や使用方法だけでなく、日本理化学工業の理念やどのような会社なのかを覚えることが必須となっています。
日本理化学工業では2024年12月時点で全社員98人中69人が知的障がい者で、うち重度の障がい者は22人いらっしゃいます。
彼らが個性や特技を発揮しながら、健常者と共に働けるよう製造ラインを改善し、直感的に理解できるさまざまな工夫をすることで、両者の差を極限まで少なくしています。
私がインストラクターの研修中に学んだ中で一番心を打たれた言葉は、当時の社長が障がい者を従業員として受け入れようか悩んだ時に禅寺のお坊さんから頂いた助言です。
みなさんはこの4つ、実感できていますか?
みんながアーティスト
このような環境から生まれたキットパスですから、ワークショップにも元々その存在を知っていたお父さん、お母さんと一緒に軽度の知的障がいだったり様々な個性を持った子供達が多く参加してくれます。
もちろんそうでない人達にもたくさんお越しくださっていて、年齢も4歳から70代と様々です。
【自分だけの宇宙】というワークショップでは、描き始めるきっかけとして最初の3工程だけはみんな一緒なのですが、その後は自由です。
キットパスを使ってこんなことができますよ、ということだけをお伝えするだけ。
指で伸ばしたり、点々を描いたり、重ね塗りしたり、と色々あるのですが、ハマるポイントはそれぞれ異なります。
制作の序盤は声がけしながらみんなの絵を見ていくのですが、ハマるポイントが見つかると、とたんに無言になり絵を描くことに集中し始めます。
「上手く描かないといけない」呪縛から放たれ、感性が動き始める瞬間です。
ほめあうギャラリートーク
出来上がった作品は、それはそれは素晴らしい宇宙ばかり。
毎回感動してしまいます。
ダイナミックな宇宙から、繊細な宇宙、カラフルで楽しい宇宙。
ひとつとして同じものはありません。
毎回30分ほどで書き上げ、残りの10分は参加者全員の作品を見ながら、素敵なポイントをみんなで褒め合う【ギャラリートーク】を行います。
褒められることに恥ずかしさを感じ、最初はもじもじしているのですが、最後は自信満々で帰っていく後ろ姿を見て私もうれしくなります。
自分を愛すること、人を認めること
最初は個人的に惚れ込んで取得したキットパスアートインストラクターですが、会社の後押しもあり徐々にイベントに呼んでもらえるようになりました。
2024年は約80名の方にワークショップに参加していただいたのですが、それを通じて自分自身にも良い効果があるなと感じています。
人それぞれが持つ内なる輝きが現れるのを目の当たりにすると、忙しない毎日の中で知らぬ間に作っていたボーダーが取り除かれていくのです。
画材のイメージ上、子供の参加が多いのですが、本当は大人にこそ「楽がき体験」をしてほしいと思っています。
誰一人同じ仕上がりにならないワークショップを通じて個性を知り、ギャラリートークで褒め合うことで相手の良さを知るのと同時に、自分への肯定感も高めることができるから。
最近社内が殺伐としてるな、うまく回っていないな、と思われる方。
もしかしたらそれぞれの個性を認め合えてないのかもしれません。
キットパスアートインストラクターは全国に3,800名以上います。
お声がけいただければ、その地域のインストラクターがプログラムを持ってお伺いします。
少しだけ、キットパスを通してお互いを見つめる時間を作ってみませんか?
この投稿をInstagramで見る
神戸エコールではこれらの商品だけではなく、様々なアイテムを取り揃えております。
キットパスワークショップ、ウィンドウアートもお承りしております。
こんなのあったらいいな、こういうのが欲しいのだけど、というご相談があればいつでもお問合せくださいね!
▼For inquiries about products, please contact the following form.▼